備忘録-特約事項・容認事項の記載例

2024/03/23不動産

売買契約

特約条項

(振込支払)

○.本契約書条項第○条(売買代金の支払時期およびその方法)の定めにかかわらず、 買主は売主に対し、売買代金のうち売主の指定する金額を標記の期日(B3)(B4) までに、売主指定の銀行口座に振り込みにより支払うものとする。なお、送金の費用は、買主の負担とする。


(振込支払)

○.決済時の残代金の支払いは、銀行振り込みでこれを行うものとし、振込手数料1 件分は買主負担とします。なお、売主の都合により2件以上に分けて振込を希望する場合は、2件目以降の振込手数料は、売主負担とします。


(ローン特約)

○.重説:「別添売買契約書(案)」契約:「本契約書条項」第○条の(融資利用の場合)は、買主を保護する為に売主が一定期間リスクを負う特約であるため、審査が否決された場合(一般団体信用生命保険に加入できない場合を含みます)に限り利用できます。下記の様な場合は適用対象外になることをご確認下さい。

◆本審査内定後に、転職・退職・産休育休・新規借入・返済遅延をしたこと等により融資が否認・減額された場合

◆団体信用生命保険特約(がん特約・三大疾病特約など)へ加入できない場合

◆売買契約締結後1週間以内に金融機関に事前審査手続きを行わなかった場合

◆予定していた金利が住宅ローン融資実行時に上昇していた及び金利優遇の条件が希望に合わない等

○.融資が否認または減額したことにより住宅ローン特約を使う場合、買主はローン否決を証明する書面などにより売主へ状況を報告する義務を負うものとします。


(一括決済)

○.本件は、同日契約、同日移転・引渡しの取引とする。 この契約は一括決済のため、第○○条(手付)、第○条(手付解除)および第○○条 (引渡し前の滅失・毀損)の各条項は適用がないことを、売主および買主は確認する。


(農地転用)

○.本契約は、農地法第5条に定める農地転用届出(または許可申請)の受理通知書(または許可証)の交付を受けることを停止条件とする。

○.売主・買主双方協力して、本契約締結後すみやかに(または令和○年○月○日まで)主務官庁へ前項の農地転用届出(または許可申請)を行うものとする。但し、本届出(または本申請)に要する費用は、売主(または買主)の負担とする。

○.令和○年○月○日までに第1項の届出受理通知書(または許可証)が交付されなかったときは、本契約は無条件にて解除するものとし、売主は既に受領済の金員を無利息で買主に返還する。

(または) ○ .令和○年○月○日までに第1項の届出受理通知書 (または許可証) が交付されなかったときは、売主・買主双方協議の上、前記期日を○日間を限度として延期、変更することができる。


(建築条件)

○.本契約は、売主が別に定める「建築請負工事」を買主と締結すること停止条件とする契約であるが為、本契約後、100日以内に同建築請負契約が締結できない場合は、本契約は、自動的解除となり、売主は受領済みの金員を無利息にて速やかに買主に返還するものとする。


(決済時の抵当権の抹消)

○ .本件売買代金の残金は、買主負担にて売主指定の金融口座に振り込み送金とし、買主の残代金にて売主の本契約条項第○条(負担の消除)記載の「抵当権の抹消」を行うことを買主は予め承諾する。


(境界の承諾について)

○.売主は、令和○年○月○日までに確定測量図を作成し、買主に交付するもとのするが、隣地所有者の協力が得られない等、売主の責めに帰さない事由により令和○年○月○日までに買主に交付できない場合には本契約は当然白紙になるものとし、その場合は、売主は直ちに手付金を無利息で返還し、買主は売主に対し、違約金等一切の金銭的請求、法的請求をなし得ないものとする。


(境界の明示について)

○.売主及び買主は、第○条の境界の明示に関し、隣地所有者との境界立会いによる境界確認書等が取得できない場合は別途協議するものとし、協議が整わない場合は売主及び買主は本契約を無償にて解除することができるものとします。本契約が解除されたときは、売主は買主より受領した手付金を無利息にて直ちに返還するものとします。


(境界の明示なし)

○.買主は、売主において境界の明示を行わず、現況での引渡しとなることを了承した。この結果、本件土地については直ちに分筆・合筆が行えないこと、将来境界紛争に巻き込まれる恐れがあることを買主は容認するものであり、買主は、売主が境界を明示しないことによって生じる如何なる不利益な事態に関しても、売主に対し契約の解除、損害賠償請求その他如何なる法的請求、異議・苦情をなし得ないことを確認する。


(物件状況確認書(告知書)なし)
○.本契約書条項第9条(物件状況確認書(告知書))の定めにかかわらず、告知書を交付しないことを買主は容認する。そして本物件に契約不適合がある場合において、その責任を免除する。ただし、売主が知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れない。


(不具合)

○.専門家による建物調査の結果、本件建物には、添付の令和○年○月○日付調査報告書記載のとおりの不具合があること、その補修のためには報告書添付の見積もりの補修工事が必要となり、その補修費用が金○○○万円要することが判明しています。売主と買主は協議の結果、売主は契約時の現状にて本件建物を引き渡せば足り、買主が引き渡しを受けた後に、買主の責任と費用負担において必要な補修を行うこととし、そのことを考慮して、本件売買契約の代金を○○○万円値引きしたのであり、買主は売主に対して、前記の不具合については、売主に対し、損害賠償請求、契約解除、錯誤取消ができないことを確認します。


(残存物)

○.本件は令和○年○月まで鉄筋コンクリート造りの地上4階、地下1階の構造の商業ビル用地として使用しており、同ビルを解体した際、売主は地下5メートルまでは基礎杭が取り除かれていることを現地確認したが、それ以下の地層に基礎杭(パイル)が存在する可能性はある。買主は、本件土地を木造2階建て4棟のための分譲地として購入するものであり、地下5メートル以下に基礎杭が存在する可能性を容認して本件土地を購入するものであり、地下5メートル以下の地層に基礎杭が存在したとしても同存在は契約不適合に該当するものでなく、売主に対し追完請求、代金減額請求、解除、損害賠償等の一切の責任を問わないことを確認する。


(地中)

○.本件土地は昭和○○年に畑を埋め立てて造成した土地で長年、駐車場として使用されてきた土地であるが、埋設物、土壌汚染、地盤強度の調査はなされていない。専門家調査の結果、本件土地上に建物を建築するためには埋設物の撤去、土壌汚染の除去、地盤補強工事等を要する可能性がある。本物件の価格は、そのようなリスクがあることを踏まえて決定している。買主は上記のようなリスクがあること、そのリスクが現実になった場合の費用が買主負担となること、その費用が極めて高額(○○○万円以上)に上る可能性もあること、最悪の場合、事実上建物が建てられない可能性もあることを容認した上で、本物件を購入するものであり、引き渡し後に、本件土地に埋設物、汚染、地盤補強工事が必要になる事態が生じたとしても、売主に対して一切の法的請求をしない。

※不具合の内容や程度によって宅建業者の場合は無効の可能性があります。


( 心理的瑕疵 )

○ .本物件敷地内において、平成○年頃、死亡事件(殺人)が発生したが、事件当時の建物は「お祓い」をして取り壊しをしているとのことである。以上の点は本物件の品質につき契約の内容に適合しない場合に該当するものではなく、買主は売主に対し、損害賠償その他法的請求をなし得ないものとする。


(中古物件)

○.売主は、第○条のとおり、引渡から1年間、本物件の品質が契約の内容に適合しない場合の売主の責任を負うが、本物件は築20年を経過しており屋根等の躯体・基本的構造部分や水道管、下水道管、ガス管、ポンプ等の諸設備については相当の自然損耗・経年変化が認められるところであって、買主はそれを承認し、それを前提として本契約書所定の代金で本物件を購入するものである(それらの状況を種々考慮、協議して当初予定していた売買代金から金50万円を値引きしたものである)。買主は、それぞれの設備等が引渡時に正常に稼働していることを現地で確認したが、引渡後に自然損耗、経年変化による劣化・腐蝕等を原因として仮に雨漏り、水漏れ、ポンプ等の設備の故障等があったとしても、それらは本物件の品質につき契約の内容に適合しない場合に該当するものではなく、買主の責任と費用で補修するものとし、売主に法的請求・費用負担等を求めないものとする。

※不具合の内容や程度によって宅建業者の場合は無効の可能性があります。


(耐震基準)

○.本件建物は昭和56年5月31日以前に建築確認を取得した旧耐震基準時の建物であり、現在の耐震基準を満たしていない建物であることを買主は容認して契約書記載の売買代金で購入するものであり、今後、売主に対して耐震基準を満たさないことについて一切の追完請求、代金減額請求、解除、損害賠償、錯誤取消等の責任を求めないものとする。


(固定資産税・都市計画税の負担額)
○.売主および買主は、固定資産税・都市計画税の精算について、本物件引渡し日において令和 ○ 年度分の年税額が確定していないため、令和 ○ 年度分の年税額が確定した後、固定資産税・都市計画税の精算を行うものとする。
○ .売主は、前項の精算を行うため、令和 ○ 年度分の年税額が記載された通知書が送達された場合、速やかに買主に通知するものとする。
○ .なお負担額の計算は「年税額÷年度の日数(365日または366日)×所有日数(移転日含む日から12月31日までの日数)」とします。


収益物件の特約と注意など

(収益物件)

○.売主および買主は、添付「賃貸借契約一覧」ならびに別添「賃貸借契約書」(写し)のとおり、対象不動産を第三者に賃貸中であることを互いに確認し、買主は別添「賃貸借契約書」(写し)に基づく賃借権の負担付で対象不動産を買い受けます。売主は不動産売買契約書(案)第〇条の所有権移転と同時に賃貸人の地位を買主に承継し、 買主はこれを承継します。なお、売主は現に保有する賃貸借契約書原本、更新契約書原本およびそれらに付帯する書類等の原本一式を所有権移転と同時に買主に引き渡します。

○.前項の賃貸人の地位承継により、売主および買主は、不動産売買契約書(案)第〇条の所有権移転と同時に、賃借人からの賃料等を不動産売買契約書(案)第〇条に基づき日割精算します。

○.第1項の賃貸人の地位承継につき、売主は不動産売買契約書(案)第〇条の所有権移転と同時に、賃借人からの預り敷金(保証金)を買主に支払い、これと同時に買主は売主の賃借人に対する敷金(保証金)の返還債務を承継します。
 なお、売主および買主は、預り敷金(保証金)を売主が買主へ支払う方法として、 買主が残代金支払いの際に、売買残代金から預り敷金(保証金)相当額を差し引くことにより、その授受を行うことを予め了承します。なお、引渡日までに敷金(保証金)の額の増減があった場合は、引き渡し時点の額に変更するものとします。

○.売主および買主は、賃貸人の地位ならびに敷金(保証金)返還債務の承継につき、所有権移転以降速やかに賃借人に対して書面にて通知します。

○.売主は、不動産売買契約書(案)第〇条の所有権移転の時までに、賃貸借契約の内容変更もしくは新たに賃貸借契約を締結する場合には、事前に買主の承諾を得るものとします。なお〇〇号室は、買主の利用計画があることから、売買契約締結後、新規募集は停止するものとします。また、賃借人の都合により、賃貸借契約が解除となる場合があることを、売主および買主は互いに確認するものとします。

○.売主は、不動産売買契約書(案)第〇条の所有権移転の時までの間に、賃借人から設備の補修・交換等の要請があった場合には、その責任と負担においてこれを行うものとします。

○.不動産売買契約書(案)第〇条の所有権移転の時までの間に、賃借人が退去した場合には、売主がその責任と負担によって原状回復工事・退去精算を行うものとします。ただし工事の内容については、売主・買主協議の上決めるものとします。

○.本物件は〇室賃貸中であり、入居中の居室内部を確認することができないため、売買契約書(案)第〇条「付帯設備表」の取り交わしは、同条の定めにかかわらず、賃貸中の居室部分は行わないものとします。なお、所有権移転後に修理・交換が必要となる場合があり、その際には、 買主の費用負担が発生することを買主は了承するものとします。

○.売主または買主が、引渡日以降、相手方に帰属すべき賃料等を賃借人から受領した場合、当該金員を速やかに相手方に返還します。ただし当該金員には利息は付さないものとします。

家賃滞納が有る場合のオーナーチェンジは下記を追加

◯.売主および買主は、未払賃料債権譲渡の合意をした。
なお、未払賃料債権の内容は次の通りです。
・〇〇〇号室 〇〇〇〇円
・〇〇〇号室 〇〇〇〇円
売主は引渡までに債務者(未払の賃借人)に対し、買主への債権譲渡の通知を内容証明郵便にて行うものとする。

賃貸中の物件を売却した場合、貸主の地位は、売主から買主に移転します(オーナーチェンジ)が、それによって貸主の地位が移転する前に発生した未払賃料までが当然に買主に移転するわけではありません。

RETIO判例(東京地判H30.1.30)

相続が絡む場合

例として、所有者Aが死亡し、相続人がB、C、Dと3者居たケース。

所有者Aが死亡
賃料

法定相続分

相続者が決定するまでの賃料は法定相続分での分割になります。
BCDが合意して、1人が受け取るとかもできます。
管理
契約

原則終了

所有者が死亡した時点で終了します。
管理委託契約で相続人への継承の定めが有れば別ですが、基本は終了です。
業者

一旦ストップ

募集活動などは一旦ストップしましょう。
BCDと話をし、管理契約や募集、原状回復、賃料の送金などを決定します。
土地建物はBCDの共有物となることを認識しましょう。
※決定には全員の同意が必要。
一般的には相続で揉めていても、継続して管理や募集をして欲しい場合がほとんど。
連名での振込依頼書や、決まった事の書面化をしましょう。
代表者だけで決定できる様になればスムーズに賃貸管理できます。
※「◯◯万円以下の案件は代表者Cに委任する」など
相続人がBに決定
賃料

決定日以降はBの所有

当然にその日以降の賃料はBのものとなります。
業者

新たに管理契約を

Bさんと管理契約を結びましょう。
※共有の際にはBCDさんとの管理契約。
賃料の振込先が変更になる場合は入居者さんへのフォローを。

容認事項

(容認事項)

○.買主は、下記の容認事項を確認・承諾の上、購入するものとし、下記事項について売主に対し、解除、損害賠償、修補、代金減額請求、錯誤取消等の一切の法的請求をなし得ないものとする。

(1)本物件周辺は第三者所有者地となっており、将来開発事業及び建物(中高層建築物等)の建築または再築がされる場合があります。その際、周辺環境・景観・眺望・及び日照条件等が変化することがあります。

(2)「法令に基づく制限」については、重要事項説明時点における内容であり、将来、法令の改正等により本物件の利用等に関する制限が附加、または緩和されることがあります。

(3)本物件の電波受信状況によっては、良好な電波受信を確保する為にアンテナやブースターの設置、ケーブルテレビの引込み等が必要になる場合があります。それらの費用は買主の負担となります。

(4)本件土地の地盤・地耐力調査は行っておらず、本物件上に新たに建物を建築する際、建築会社等から地盤・地耐力調査を要請されることがあり、その結果によっては地盤補強工事等が必要になる場合があります。その場合には買主の負担となります。

(5)税金については細かい適用要件などがあるとともに、申請が必要な場合もありますので、税務署や税理士に相談の上ご自身で判断してください。

(6)本物件地域には自治会(町内会)等があります。よって自治会(町内会)費用や取り決め等がありますので、買主はそれを継承し、遵守するものとします。またゴミ出しも自治会(町内会)等の指示に従ってください。

(7)買主は、本分譲地内の未契約物件について、後日、売主の都合により価格の変更・ 区画の変更・販売方法が変更する場合があることを予め承認するものとする。

(8) 売主は、本物件の引渡し前であっても買主又は買主の 関係者が地盤調査(ボーリング)、測量、その他建築準備の為、本物件に必要な範囲で立入り、使用すること及び特定行政庁への建築確認申請などの建築に必要な手続きを行うことを予め承諾し、これに協力するものとします。

(9)本物件東側道路に○○市の街路灯があります。

(10)本物件の北側隣接地(地番:○番○)の○○氏所有の建物の屋根の雨樋部分(幅約10cm、長さ約5m)の塀の一部が越境してきております。なお、この越境物の撤去については別添の覚書が売主と○○氏間で交わされています。

(11)○番○と○番○の境界上の現況の塀は隣地との共有物であり、修繕・やり替え等を行う際、その所有者と協議及び承諾が必要となります。

(12)本物件北側隣接地は現在コインパーキングの為、利用に伴い振動、騒音、臭気等が発生する場合があります。

重説に記載する文言(府中市)

(1)都市計画法・建築基準法に基づく制限の概要

④地区・街区等

[特別用途地区] 建築基準法第49条に基づき条例により制定(下記備考欄参照)

●特別用途地区 本物件は「府中市特別用途地区内における建築物の建築に関する条例」に基づく『大規模集客施設制限地区』内にあるため、劇場、映画館、演芸場もしくは観覧場又は店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票券販売所、場外車券売場その他これらに類する用途で、規制で定めるものに供する建築物でその用途に供する部分( 劇場、映画館、演芸場もしくは観覧場の用途に供する部分にあっては、客席の部分に限る。)の床面積の合計が10,000㎡を超えるものは建築してはなりません。

[その他の地域地区等] ☒防火指定 建築基準法第22条指定区域

(2)都市計画法・建築基準法以外の法令に基づく制限の概要

●景観法 府中市には広島県景観条例による制限があります。高さ13㍍、又は建築面積1,000㎡を超える大規模建築等には届出が必要となります。詳細は別添参照。

●文化財保護法 府中市内で土木工事(擁壁・切土・盛土)や建築(個人住宅の建築や改装を含む)を行う際は遺跡の有無に関わらず府中市と事前協議が必要です。

●都市再生特別措置法:立地適正化計画(居住誘導区域) 一定規模以上の住宅の開発、建築行為や都市機能誘導区域外で行う誘導施設の開発、建築行為の際には、府中市へ事前の届け出が必要になります。

中間省略登記(A→B→C契約における特約)

A→B

(第三者のためにする特約)
1.売主及び買主は、本契約が第三者のためにする特約を付した売買契約として締結されるものであることを確認する。
2.買主は、売主に対し本物件の所有権の移転先となる者(買主本人を含む)を指定するものとする。
3.本物件の所有権は、買主の指定及び売買代金全額の支払いを条件として売主から買主の指定する者に直接移転する。
4.本物件の所有権は、前条の条件成就までは売主に留保されることを確認する。
5.売主は、所有権の移転先に指定された者が売主に対してする「本物件の所有権移転を受ける旨の意思表示」の受領権限を買主に委任する。
6.特約条項と本契約とで抵触する規定がある場合には、特約条項の規定を適用するものとする。

B→C

(中間省略登記)
1.売主は、現所有権登記名義人(以下、「現所有者」という)所有にかかる本物件を買主に売り渡し、買主はこれを買い受けた。
2.売主は、売主が現所有者との間で締結している令和○年○月○日付売買契約(第三者のためにする特約付)に基づき、現所有者から買主に対し直接所有権を移転させることにより、その義務を履行するものとする。
3.本物件の所有権は、買主が売買代金の全額を支払い、売主がこれを受領し、かつ売主が現所有者との間で締結している令和○年○月○日付売買契約(第三者のためにする特約付)に基づき、買主が現所有者に対して所有権移転を受ける旨の意思表示をした時に、現所有者から買主に移転する。
4.特約条項と本契約とで抵触する規定がある場合には、特約条項の規定を適用するものとする。

その他いろいろ

表紙の裏面

有限会社西本地所
住 所:府中市鵜飼町702番地1
電 話:0847-45-9936
メール:info@nishimotojisyo.com
免 許:広島県知事(5)第8771号
営 業:8:30~17:00
店 休:日曜・年末年始・夏季休暇・GW

地積測量図

作成年代による信頼性

昭和35年
1960年~
測量図を提出する様になる。精度はバラバラ。現地との相違が多い。信頼性は低い
昭和52年
1977年~
平板測量から徐々にトランシット(光波測距儀)測量へ。境界標を記載し始める。まだ信頼性は低い。
平成 5年
1993年~
トータルステーションによる測量が主流に。地積更正に境界確認書が必要になる。そのため、分筆は残地計算が多く残地面積の信憑性は低い。境界標の義務化。信頼して大丈夫なのもある
平成17年
2005年~
現在の精度へ。三斜法から座標法に。立会も必要で、分筆も全筆求積。世界測地系座標。信頼性が高い。
平成30年
2018年~
完全オンライン化
まとめ

■平成5年10月~平成17年3月6日→まあまあ参考になる。復元性もある程度保証される。

■平成17年3月7日以降→境界立会いが終わっており、境界が確定されているため十分信用出来るケースが多い。復元も十分に可能

耐震基準

■昭和25年(1950年)  → 建築基準法制定(旧耐震)

■昭和56年6月(1981年)→ 基準改定(新耐震)

■平成12年6月(2000年)→ 基準改定(現行基準)

耐震等級について

現行基準で建てて「耐震等級1」=震度6~7程度の地震に倒壊しない。震度5強で損壊しない建物。

等級2=1.25倍(病院、学校など)、等級3=1.5倍の強度(消防、警察など)。

確認方法が3つ(下に行くにつれ信頼性が高い ※ちゃんと計算するから)

1:仕様規定による建築確認
2:性能表示計算による建築確認
3:許容応力度計算による建築確認

断熱基準

※表示するUA値は地域6の基準値です。(府中市は地域5・6)

※推奨値は0.6以下です。(小さい方が高性能)

[断熱基準の歴史]

■昭和55年(1980年) → 旧省エネ基準(UA値1.67)

■平成4年(1992年)  → 新省エネ基準(UA値1.54)

■平成11年(1999年) → 次世代省エネ基準(UA値0.87)

■平成25年(2013)  → 改正(UA値0.87)

■平成28年(2016年) → 改正 (UA値0.87)

■令和4年(2022年)  → 等級5・6・7新設

■令和7年(2025年)  → 【予定】最低基準がUA値0.87になる(それを超えると新築不可)

■令和12年(2030年) → 【予定】最低基準がUA値0.6になる(それを超えると新築不可)

ひとこと

2022年よりやっと力が入りだした分野。

それ以前は、高断熱と謳っていてもお察しレベル。(最高等級がUA値0.87だったので)

大事な部分としてセットで気密値(C値)と換気計画が重要になります。

長期で考えると耐震等級も重要です。(小さい地震などで気密値が悪化する可能性が有り、耐震等級が高い方が影響が少ないと考えられる為。)

契約不適合責任に関する事例研究

事業者
商人
宅建業者

【商人とは】(商法第4条)

1.「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。

2.店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者または鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす。※「会社」は商人です。

【消費者と事業者】

「消費者」 個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)

「事業者」 法人その他の団体、及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人

買主の属性
宅建業者商人
(宅建業者を除く)
事業者
(宅建業者・
商人を除く)
消費者
売主の属性宅建業者商法526条
免責特約可
宅建業法40条
商法526条
宅建業法40条宅建業法40条
商人商法526条
免責特約可
商法526条
免責特約可
免責特約可消費者契約法8条、
8条の2、
10条
事業者免責特約可免責特約可免責特約可消費者契約法8条、
8条の2、
10条
消費者免責特約可免責特約可免責特約可免責特約可

商法526条(商人間の検査通知義務)

商人間の売買において、買主が売買の目的物を受領したときは、遅滞なく検査をしなければならず(商法第526条1項)、この検査により、瑕疵があることまたはその数量に不足があることを発見したときは、直ちに、売主に対し、その旨を通知しなければなりません。ちなみに、「直ちに」とは、できるだけ早くという意味であり、即座にという意味ではありません。

買主がこの検査・通知を怠ると、売主に対し、瑕疵があることを理由とした契約の解除や損害賠償請求、代金減額請求をすることができなくなってしまいます(同条2項前段)。

但し、その瑕疵が直ちに発見することができない性質のものである場合には、買主が目的物の受領後6ヶ月以内に発見して直ちに通知すれば、これら契約解除権や損害賠償請求権等を失うことはありません(同条項後段)。「直ちに発見することができない瑕疵」とは、その業種の商人が通常用いる合理的な方法で、かつ合理的注意をつくしても発見できなかった瑕疵をいいます。

この規定は強行規定ではなく、任意規定ですので、当事者間で合意が得られるのであれば、期間を延長したり、反対に、期間を短縮したり、瑕疵担保責任そのものを免責としたりすることができます。

宅建業法40条

売主「宅建業者」・買主「非宅建業者」の場合、通知期間2年以上。これに反する特約は無効。

消費者契約法

売主「事業者」・買主「消費者」の場合の注意点

① 売主の「損害賠償義務」を免除する特約は原則無効(消費者契約法8条1項1号・2号)。

ただし、「修補義務」又は「代金減額義務」を負う場合には、損害賠償義務を免除等することは可能。

②買主の「解除権」を放棄させる特約は無効( 消費者契約法8条 2)。

③売主の契約不適合責任の責任期間を極端に短くするような特約は信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものとして無効( 消費者契約法 10条)。

品確法

新築住宅の主要部分等については売主は引渡の時から10年間は契約不適合責任を負担しなければならず、これに反する買主に不利な特約は無効となります。

人の死の告知に関するガイドライン

※居住用不動産を対象(事業用は対象外)

※告げなくてよいとされた場合でも事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は告げる必要がある。

※告げなくてよいとされた場合でも買主・借主から事案の有無について問われた場合は告げる必要がある。

■告げる場合は、事案の発生時期(特殊清掃等が行われた場合は発覚時期)、場所、死因及び特殊清掃等が行われた場合はその旨を告げる。

■売主・貸主・管理業者に照会した内容をそのまま告げるべきである。なお、売主・貸主・管理業者から不明であると回答された場合、あるいは無回答の場合には、その旨を告げれば足りるものとする。

賃貸借契約売買契約
①自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故・誤嚥等)
(特殊清掃等が行われた場合は除く。)
原則:告げなくてよい原則:告げなくてよい
他殺自死特殊清掃等が行われた自然死事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から概ね3年間が経過した後は告げなくてよい
概ね3年間が経過していなければ、相手方の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げる必要あり
相手方の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げる必要あり
③隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した②の死原則:告げなくてよい原則:告げなくてよい
留意事項

■亡くなった方やその遺族等の名誉及び生活の平穏に十分配慮し、これらを不当に侵害することのないようにする必要があることから、氏名、年齢、住所、家族構成や具体的な死の態様、発見状況等を告げる必要はない。

■個々の不動産取引においては、買主・借主が納得して判断したうえで取引が行われることが重要であり、宅地建物取引業者においては、トラブルの未然防止の観点から、取引に当たって、買主・借主の意向を事前に十分把握し、人の死に関する事案の存在を重要視することを認識した場合には特に慎重に対応することが望ましい。

設備の不具合での賃料減額ガイドライン

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が発表しているガイドライン。

※この通りにする必要はないが、参考に。

家賃滞納の遅延損害金の計算

契約書にて、「金銭債務の支払いを遅滞したときは、年14.6%の割合による遅延損害金を支払うものとする。」といった取り決めがある場合。

例1

2023年8月~11月分までの賃料(10万円/月)を滞納している。

本日(2023年11月20日)までの遅延損害金の計算方法は?

賃料年率経過日数遅延損害金
8月分100,0000.1461124,480
9月分100,0000.146813,240
10月分100,0000.146512,040
11月分100,0000.14620800
合計400,00010,560
遅延損害金=賃料×年率÷365×経過日数

弁済充当の順番について

1.合意充当充当について当事者の合意があれば、それによる
2.法定充当①元本と遅延損害金や利息がある場合、遅延損害金や利息から先に充当する
3.指定充当弁済者(借主)が指定する、なければ、受領する者(貸主)が指定する
4.法定充当②弁済期が到来したものから充当する

取り決めが無ければ、借主が8月・9月分を払うと言っても(3.指定充当)、

先に遅延損害金からの充当となる(2.法定充当①)。

例2

「例1」の日(11月20日)に20万円を払った。

遅延損害金に充当10,560円
8月分に充当100,000円
9月分に充当89,440円

その後、12月20日に10万円を支払ってきた場合。

賃料年率経過日数遅延損害金
9月分10,5600.14630127
10月分100,0000.146301,200
11月分100,0000.146301,200
12月分100,0000.14620800
合計310,5603,327

「遅延損害金」「9月分」「10月分の一部」が完済で、滞納額=213,887円となります。

借地権

■土地を借りているのは平成4年8月1日(1992/8/1)より前か後か?

前(1992/7/31まで)

後(1992/8/1から)

存続期間

初回の契約期間更新後
借地法
(旧法)
堅固建物期間の合意がない60年30年
期間の合意がある30年以上30年以上
非堅固建物期間の合意がない30年20年
期間の合意がある20年以上20年以上
初回の契約期間初回更新2回目以降の更新
借地借家法
(新法)
普通借地権期間の合意がない30年20年10年
期間の合意がある30年以上20年以上10年以上
定期借地権一般定期借地権50年以上
建物譲渡特約付借地権30年以上建物譲渡により借地権は消滅
事業用定期借地権10年以上50年未満

借地借家法の借地権の種類

借地権存続期間利用目的契約方法借地関係の終了契約終了時の建物
普通借地権30年以上用途制限なし制約なし
口頭でも可
・法定更新される
・更新を拒否するには正当事由が必要
・建物買取請求権がある
・買取請求権が行使されれば建物はそのままで土地を明け渡す。借家関係は維持される。
定期借地権一般定期借地権
(法22条)
50年以上用途制限なし書面で行う
次の特約が有効
・契約の更新をしない
・存続期間の延長をしない
・建物の買取請求をしない
期間満了による原則として借地人は建物を取壊して土地を返還する
建物譲渡特約付借地権
(法23条)
30年以上用途制限なし30年以上経過した時点で建物を相当の対価で地主に譲渡することを特約する
口頭でも可
建物譲渡による・建物は地主が買い取る
・建物は収去せず土地を返還する
・借地人または借家人は継続して借家として住まうことができる
事業用定期借地権
(法24条)
10年以上50年未満事業用建物所有に限る公正証書による
・契約の更新をしない
・存続期間の延長をしない
・建物の買取請求をしない
期間満了による原則として借地人は建物を取壊して土地を返還する

賃貸契約

特約条項

(公租公課)

○.本契約期間中、賃料、管理・共益費等に消費税、その他の名目の課税がなされるに至った場合及び、その消費税率に変動のあった場合には当然に新課税あるいは新税率が適用され、乙は、以後の賃料、管理・共益費等の支払いについて新税率等で計算された賃料、管理・共益費等を支払うことをあらかじめ承認する。


(短期解約違約金)

○.乙は1年以内に解約した場合は、家賃1ヶ月分の違約金を支払うこととする。


(入居者入替)

○.賃借人は賃貸人に対して貸室の入居者を通知して特定するものとする。
○.貸室の入居者に入替えがある場合は、賃借人は賃貸人に対し、新規入居者の氏名・連絡先等を事前に書面またはメールにより通知するものとする。
○.本契約が終了した場合は、賃借人は賃借人の責任と費用により、貸室より入居者を退去させるものとする。


(自動更新)

○.賃貸期間満了の1ヶ月前までに書面による更新拒絶の意思表示をしない場合、本契約は同一の条件で2年間自動的に更新され、以後も同様とする。

(更新料)

○.本契約が更新されたときは、借主は貸主に対し、賃料の1ヶ月分相当額の金員を更新料として支払わなければならない。


(日割計算)

○.本契約の定めに関わらず、1ヶ月に満たない期間の賃料・共益費などの支払家賃は実日数割で計算した額とする。


連帯保証人に身元引受人もさせる特約

(連帯保証人の責任)

○.連帯保証人は、この賃貸借契約が法定更新された場合はもちろん、連帯保証人が契約当事者とならずにこの賃貸借契約が合意更新された場合でも、特約で連帯保証人の責任を免除されたときを除き、賃貸人と賃借人の賃貸借契約(更新後の契約を含みます )が終了し、かつ、賃借人の債務が完済される。までは賃借人と連帯して保証人の責任を負います。

○.連帯保証人は、前項の金銭債務支払義務を負うほか、借主又は同居人について以下の身元引受人としての義務と権限を借主からの委嘱により負うもの とします。

1) 借主又は同居人が、要介護状態になったときは、病院・介護・養護施設への入所処置・引き取り・成年後見の申立・成年後見人への就任等介護の処置。

2) 借主又は同居人が死亡した場合の遺体の引取・葬儀及び残置物の搬出・引取り・処分・後片付け。

3) 借主が死亡・行方不明(貸主に届出をせず所在不明のまま60日を経過したとき)の場合の、借家契約の合意解除、残置物の搬出・引取り・処分・後片付け。

4) この身元引受の責任は、借家契約の期間にかかわらず、更新後も継続され、借主と貴殿の借家関係が終了するまで継続します。

5) 借主は、連帯保証人に上記1)から4)の責任を果たすことを依頼し、 連帯保証人の上記処理のため、借家契約の解除・借家内の家財の搬出・処分・借主の手持ち現金・預金等からの上記処理に必要な一切の権限・代理権支払い権限を委任いたします。なお、この委任は借主の死後も有効とし ます。

更新と保証人

・令和2年(2020年)4月1日より保証人は極度額を定める事となっています。

・自動更新特約の場合は新法が適用されるとの見解が法務省見解。

■しかし、自動更新は賃貸借契約の更新であって保証契約の更新ではない。

※「賃貸借契約」「保証契約」の2つの契約があるということ。

注意点

賃貸人と保証人との間の「保証契約」は、やりとり等を考慮して判断されます。

保証契約をした時から現在までの期間が長く、保証人に請求をする事が信義則に反するとされないか。

保証人への請求が認められないリスクが有るので、長期間の放置は避けるべきです。

更新方法賃貸借契約
合意更新新法適用
自動更新新法適用
法定更新旧法適用
更新方法(保証人)保証契約
何もしなかった旧法適用
賃貸借契約の更新時に保証人も締結
または
保証契約の合意更新を締結
新法適用

増改築念書

トラブルを避けるために、設備交換・改修工事の内容のほか、以下の事も確認し合意内容を書面にした上で承諾するべきでしょう。

  • 付加した設備は誰のものか(借主の所有なのか、建物の一部として貸主のものになるのか)
  • 費用償還請求権や造作買取請求権の有無
  • 退去時の原状回復はどうするのか(原状に戻すのか、そのままでよいのか。取り外し可能なものである場合には残置するのか、借主が持っていくのか)

事業用の賃貸借においての注意点

「法令に基づく制限」で、予定していた事業ができないトラブルが有るので注意が必要です。

調整区域の建物に関する規制

事例 → 建物を事務所・倉庫として借りて運送業許可をとろうとしたが、営業許可を受けられず開業できなかった。

用途地域に関する規制

事例 → 工場として使用する為に借りたが、第一種低層住居専用地域で使用できず撤退した。

適法に建物を使用するために必要となる用途変更が出来なかった例

事例 → 介護施設として使用する為、店舗として使用されていた建物を借り、数千万円をかけ工事を行ったが、行政から用途変更手続きをする様に指導を受けた。手続きをしようとしたが、当該物件に検査済証が無かった為、用途変更手続きができず開業することができなかった。

都市計画

事例 → 計画道路の対象であったので、多額の費用をかけて開業したにもかかわらず、数年で移転が必要になってしまった。

消防法関係

事例 → 内装工事に着手したところ、借主の考えている目的で建物を使用するには、消防法上、特定の消防設備(スプリンクラーなど)が必要なことが判明し、貸主・借主間でその費用負担について揉めてしまった。

その他、オフィス等の貸ビルでは管理規則や使用細則により細かな使用方法や禁止事項が定められていることが多いので、借主の利用目的に照らして支障になる制限がないかを確認するべきです。

また、区分所有建物においては、管理規約による利用制限が無いか確認します。

電気料金について

高圧電力を使用の場合、設備(キュービクル)の減価償却費や維持費用が必要のため、電気料金に加えそれらを加算した請求をするのは合法の判例が多いが、「(~中略~)賃借人が負担する旨の合意をしたなどの事情がない限り、(~中略~)実額に限られるというべきである。」とする判例もあります。

なので、電気料金の計算方法について、特約に記載した方が良いでしょう。

不動産備忘録

Posted by 村上